チュニジアは Twitter革命なのか? Facebook革命なのか?

 

先週チュニジアでは政変が起きて、23年間にわたって独裁体制を布いていたベンアリ政権が崩壊しました。

昨夜のNHKのニュースウォッチ9では、「ツイッター革命」としてこの政変を取り上げ、またその後のテレビ朝日の報道ステーションでは、「Facebook革命」として、ソーシャルメディアが政権を崩壊させたという紹介をしていました。

別にどちらのメディアが政権を崩壊させたのか、という事を追求する報道ではありません。

 

 

23年間の長期政権によって腐敗した体制が市民の声によって崩壊してしまった。

報道ステーションの紹介では、路上で食品(野菜?)を売っていた市民の一人が政府当局からの取り締まりを受け、それに抗議して焼身自殺を図る。その模様がFacebookに公開され、それを見た市民が抗議デモをツイッターで呼びかけ、またたくまに国中に抗議の輪が広がり巨大な反政府運動に発展していったということでした。

 

この話の驚くべきところは、抗議の焼身自殺から独裁政権の崩壊までのニュースの過程のなかで、テレビや新聞という既存のマスメディアが介在していないという点です。

抗議の焼身自殺を目の当たりにした市民は沈黙していられず、一人ひとりがインターネットを介して怒りの声を上げます。チュニジアの市民はインターネットそしてソーシャルメディアという新しい強力な武器を手にして立ち上がり、自らの手で政権を崩壊させました。そして日本で暮らす私たちはテレビや新聞を通じて、そのニュースを後追いで知ることとなったのです。

私はこの一連のニュースを見て、今更ながらソーシャルメディアの力を改めて実体験的に認識しました。今まで色々なところで、ツイッターなどソーシャルメディアの力を“見てきたように”語っていた自分が少し情けなくなりました。

 

昔、歴史や社会科の授業で、剣を持った権力者に対して、市民は棍棒や鍬を振り回して抗議する。そしてメディアがペンを持って市民に加勢する。したがってペンは剣より強い、と教えられました。今回の「ツイッター革命」とか「Facebook革命」と呼ばれているものは、“ソーシャルメディアは銃よりも強い!”と、何年か先の歴史の授業で教えられることになるのでしょうか?

 

ツイッターの共同創業者のビズ・ストーンが言った「ツイッターは技術の勝利ではなく、人間性の勝利」というフレーズがとてもにリアルに響いてきます。