AMAZON FINE ART  ネットで現代アートを買う?

 先日、アマゾンがアート作品の販売を開始した。現代アート系を中心に15ギャラリーが出店している。作品のジャンルはペインティング、ドローイング、写真、版画など平面系が多いようだが、販売されている作品が、エディションものばかりではなく、1点モノ(ユニーク)が多いところに驚くと同時に、強く興味を感じた。

 

 出品されている作家のラインアップはとても多彩。各出店ギャラリーの取扱いアーティストが、世界的なメジャー作家から新人まで垣根なく様々紹介されている。それこそダミアン・ハーストやデヴィッド・リンチ、篠山紀信、岡本太郎のようなメジャーアーティストもいれば、これから来るであろうギャラリー一押しの新人作家の作品まで出品されている。当然、有名作家はエディション作品(版画など)が多く、若手はペインティングやドローイングなど1点モノが多い。

 1点モノで実物を見ないで「ポチッ!」とするプライスの限度っていくらなんだろう? 決して目玉が飛び出るほど高価ではないが、そこそこのプライスのアーティストって、そもそもネットで買われるのだろうか? 購入する顧客像と購買モチベーションにとても興味がわいた。それと同時に思ったのは、はたして「自分は買うだろうか?」

 

 現代アートというものはまさしく今の時代のアートであるから、現実の社会に対峙しているし、現代が抱える様々な問題に対する作家の態度表明が作品という形に結実している。だからネット環境の中で作品が発表されて、それがネット上を情報として流通し、その過程で批判されたりすることを回避することは難しい。その一環として販売されることも自然な流れなんだろう。

 それはそうなんだが、ついに来たね。面白いことになってきた。今度機会があったら、アマゾンに出店している知り合いのギャラリーに、「どうなの?」って、ぜひ聞いてみよう。