自分メディアを断捨離するということ

 インターネットに仕事で関わるようになってもうかれこれ20年になる。解説本を片手に試行錯誤しながら自分でHTMLを書いて、江戸川乱歩の世界と東京下町の風景をオーバーラップさせたウェブサイト「東京下町乱歩帳」を立ち上げて以来、ブログ、グリーやミクシィ、そしてツイッター、フェイスブック、LINE、インスタグラムなどなど、様々なメディアを利用して発信し、交流して来た。

 仕事の関係上、プライベートに限らず自分の関わっている会社や取引先のウェブサイトのサポートも含めれば、ほぼ毎日のように断続的にネット上に何かをひねり出しながら生きてきたわけである。それが一体どれほどの量になるものかと考えると恐ろしくもある。それこそ呼吸をするように記事やコメントや写真をネット上に投稿し、自分の考えはもとより、フェイスブック以降は日々の食生活から顔まで晒す。気がつけば逃げも隠れもできないようになった。回線のスピードやサービスの進化が情報発信におけるストレスをどんどん軽減してくれる。今後は限りなく無意識に自分の情報が拡散されていくことだろう。

 でもまあだからと言って、今更自分のネットメディアを閉鎖して発信を止めて静かに生きていこうとは全く思っていない。むしろ自分の係わっているメディアの関係性の再構成のようなものをしたいと思っているのだ。コンサルの仕事では顧問先企業の方には「御社が係わっているメディアをチューニングしましょう」と提案しているが、それは個人でも意義がある作業であるはずだ。

 日頃なんとなく使い分けている、いやなんか飽き気味で次々と新しいサービスに乗り換えているネットメディアの利用方法をここらで少し真面目に考えてみようと思っている。いや、決して終活とかじゃなくて。